労務問題を扱う弁護士、KAI法律事務所

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解決事例

解決事例

団体交渉・労働組合対策

未払い残業代等を長期分割で支払うことにより解決した事例

A社は、売り上げの減少に伴い手当の支払いを遅滞したところ、正社員の多くが合同労組Bに加入しました。団体交渉を担える社内人材が不足していたところから、KAI法律事務所に団体交渉の依頼が来ました。
その後残業代の未払いがあることがわかり、B労組は未払い残業代の請求もA社にしてきました。しかし,A社には,手当の未払い分および未払い残業代を一括で支払うことは経営上難しいという事情がありました。そこで、当事務所は,手当の未払い分および未払い残業代については、粘り強い交渉の末にB労組を説得することに成功し、長期の分割で支払うことにしました。これにより,A社の経営に大きな影響を及ぼすことなく懸案事項を解決できました。
A社としては、これらの外は、組合から法的に違法性を指摘される問題がなかったので、その後の賃上げや一時金交渉では、例年ほぼ会社の主張に近い決着となりました。すると、組合員が合同労組に加盟している意義を見出せなくなり、正社員の多くが組合を脱退し、A社幹部は、安心して経営に専念できるようになりました。

不当に結ばされた労働協約を解除して問題発生を未然に防止した事例

C社は、売り上げの減少に伴い労働条件を切り下げたところ、正社員の多くが合同労組Dに加入し、突然、会社幹部に団体交渉を申し入れてきました。会社幹部は、組合員に囲まれ暫定労働協約を締結するように強く求められました。D労組は、会社幹部に協定に問題があればすぐ直すから協定を締結するように何時間でも団体交渉をする姿勢を示しました。会社幹部は、労働組合の知識が全くなかったのでどうしてよいかわからず、あまり中身を検討せずに労働協約を締結しました。しかし、その協約は、組合がC社の設備を自由に使えるようにしたり、組合活動を就業時間に認めたり、組合員の労働条件の変更はすべて組合の同意なくしてできないようにするものでした。C社幹部は、問題のある協約を結んだことに気づきKAI法律事務所に相談しました。
本件については、協約締結後時間があまりたっていないこと、C社幹部が協約の内容をしっかり検討する時間がなかったことから、D労組に対し、協約の問題性を説明したのち、労働協約を解除しました。
D組合は当初強く反発しましたが、当事務所が団体交渉や書面において判例を引用して労働協約の解除が不当労働行為にならないことを説明したところ、争っても組合の主張が法的にとおり難いことがわかり、最後は協約解除について争ってこなくなってきました。
その後、D労組は、C社に無理な要求をしなくなりました。

適切な対策を講じることで組合を機能停止に追い込んだ事例

E社は、正社員と契約社員(1年の雇用契約が更新されている)で構成されていますが、契約社員が特定の管理職と折り合いが悪く、それが原因でその多くが合同労組Fに加入しました。F労組は、契約社員が正社員と変わらない仕事に従事していることなどを理由に、契約社員の待遇改善を求めてきました。そこで、E社は、KAI法律事務所に団体交渉を依頼しました。
会社より事情を聴取することにより、合同労組に契約社員が加入した原因が、契約社員と特定の管理職との間の人間関係にあることが分かったので、当事務所は契約社員とコミュニケーションを円滑に取れる者を、当該職場に配置するようにE社にアドバイスしました。E社が,このアドバイスに従い契約社員とコミュニケーションを円滑に取れる者を配置したところ、合同労組に加入した契約社員の間で内部分裂が起き、事実上組合は機能停止状態となり、団体交渉も行われなくなりました。

残業代対策・労基署対応

請求を免れた事例

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  1. 75万円→0円
      元従業員が残業代等を請求してきた事案で,当事務所が元従業員は管理監督者に当たると主張し,説得することができたので,残業代については全く支払わずに解決することが出来ました。
  2. 130万円→0円
      元従業員が弁護士を通じて残業代を請求してきた事案で,当事務所が調査したところ,元従業員が横領・背任等を行っていたことが明らかとなりました。 その結果,元従業員の弁護士は辞任をし,最終的には元従業員本人と交渉することによって,残業代は支払わずに解決することが出来ました。

減額事例

  1. 550万円→250万円
      元従業員が弁護士を通じて,過去5年分の残業代を請求してきた事案で,当事務所が再計算し,交渉したところ,支払うべき残業代を請求額の半額以下に減額出来ました。
  2. 300万円→100万円
      元従業員個人が,残業代として300万円超の金額を請求してきた事案で,当事務所が残業代を再計算し交渉したところ,支払うべき残業代を請求額の3分の1に減額出来ました。
  3. 130万円→50万円
      元授業員が弁護士を通じて,1年半分の残業代を請求してきた事案で,当事務所が再計算し,交渉したところ,支払うべき残業代を請求額の4割以下に減額出来ました。

労基署対応

  1. 240万円→100万円
      元従業員が残業代等を請求するため労働基準監督署に駆け込んだ事案。
    当事務所の弁護士が会社担当者と共に労働基準監督署を訪問し,当事務所で作成した詳細な残業代計算表に基づき,残業代は存在するものの元従業員の請求する額にはならないという会社側の主張について説明しました。計算書が正確に作られていたため労働基準監督官に会社側の主張を信用してもらうことができ,その場で労働基準監督官から元従業員に対し説得のための電話をしてもらうことが出来ました。結局,元従業員も会社側の言い分を認めて,会社が提示した金額で和解をすることが出来ました。

困った社員対策

適切な対応をすることで問題社員を自主退社させた事例

 契約社員Bが,労災(第三者行為災害)により1年近く休職したのち,復職後も欠勤を繰り返すなどした事案。
 Bは,もともとよく問題を起こしていたので,会社としては雇用契約の継続は困難と考えていました。しかし,Bが上司などから注意を受けると大声を上げるなど威圧的な態度をとったり,長時間にわたって自分の主張を述べたりしたため,会社はやや及び腰になっており適切な対応が行えていませんでした。そこで,当職らは,会社に対しBへの具体的な対応方法をアドバイスして,会社がBに毅然とした態度で接することができるよう後方支援することとしました。
 その後,会社は,当職らのアドバイスを受けて,欠勤を繰り返すBに欠勤をした理由を明らかにするよう繰り返し求めていったところ,当初はのらりくらりと言い逃れをしていたBも,会社の粘り強い対応にこれ以上会社にとどまるのは困難と考えたのか自己都合退職を申し入れてきました。
 このように適切なアドバイスを受けられることで,適切な対応ができるようになったことで,紛争となる可能性が高い解雇という方法を採らずにBを退社させることが出来ました。

最小限の出費でリスクを回避した事例

イラスト

 中途入社した社員Aが,自己都合で退職した後に,会社から実現不可能なノルマを課されるなどして退職せざるを得なくなったと主張し,精神的苦痛に対する高額な慰謝料の支払いを求めて紛争調整委員会にあっせんを申し立てました。
 あっせん手続は参加が強制されるものではありませんが,このケースではあっせんへの参加を拒否して訴訟や労働審判などの法的手続に移行してしまうよりも,あっせん手続で解決したほうが会社にとって有利であったため,あっせん手続に参加をしました。
 あっせん手続では,当職らが答弁書を作成して,Aが業務を遂行する十分な能力があると面接で言っていたにもかかわらず能力が著しく不足していたことや,Aがノルマと言っていたものは単なる売上目標であり達成できなかったことによるペナルティーが無いことなど,詳細な反論を行いました。
 あっせんでは,当事者による合意によって解決を図り,合意が出来なければあっせん手続はそこで打ち切られます。会社側としてはAの請求に合理的な理由はないと考えましたが,Aから今後不当な請求を二度とされないためにも合意を締結することが重要であるとの判断から,解決金として10万円を支払うことを提示しました。Aは求職中であることなどを理由としてなかなか応じませんでした。これに対して,当職らは,Aが以前に代表取締役として会社を経営していたことがあることを事前の調査で掴んでいたため,Aにこの事実を突きつけ求職の必要性を問いただしたところ,Aから会社側が提示した条件で合意するとの譲歩を引き出すことに成功しました。
 この合意により,会社は,Aから今後雇用関係に関する一切の請求を受けることがなくなり,最小限の出費でリスクを回避することが出来ました。

労務トラブル防止対策

就業規則の解決事例(作成のポイント)

  1. 休職
    社員が次の各号の一に該当するときは、休職を命ずる。
    • ①・・・・・・・
    • ②・・・・・・・
    • ③・・・・・・・
     休職を「命ずる」と規定すると,休職事由が生じた場合必ず休職を命じなければならなくなります。これでは,ぎりぎりの人員で業務を回している中小企業などのように,休職を認めず直ちに解雇したほうがよい場合に対応することができなくなってしまいます。
     そこで,休職を「命ずることがある」として,休職命じるか否かは会社の裁量ということにしておけば,いざというときに会社の選択肢が広がることになります。
     また,休職制度自体は,必ず設けなければならないと法律上定められているわけではありません。そのため,企業の規模や雇用形態によっては,解雇猶予としての性質を持つ休職制度を設けることがふさわしくない場合もあり,休職制度を設けるかどうかということも就業規則を作成する際には十分検討する必要があります。
  2. 割増賃金
     厚生労働省が作成し公開しているモデル就業規則には,時間外労働に対する割増賃金の割増率について,以下のような規定が設けられています。
    • ①時間外労働45時間以下・・・25%
    • ②時間外労働45時間超~60時間以下・・35%
    • ③時間外労働60時間超・・・・・50%
     ②の時間外労働45時間超~60時間以下部分は,法律上25%の割増賃金を支払えば良いのであり,それ以上の割増を強制されるものではありません。
     ③の時間外労働60時間超の部分は,労働基準法37条1項ただし書で50%以上と定められていますが,労働基準法138条で中小企業(下記表いずれかに該当る企業)には適用されません。
    業種 資本金額又は出資金額 常時使用する労働者数
    小売業 5000万円以下 50人以下
    サービス業 5000万円以下 100人以下
    卸売業 1億円以下 100人以下
    その他 3億円以下 300人以下

    したがって,上記モデル就業規則の条文をそのまま就業規則に使ってしまうと,中小企業では法律上支払いが義務付けられているものよりも高い割増率を定めたことになってしまうので注意が必要です。

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