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採用時の労務対策

従業員採用にあたって調査の限界はありますか。

① 本人の健康状態(精神状態)について、志望者に問いあわせることは、職務に耐えられるかなどの判断に必要と一般的に考えられるので可能ですし、その回答を拒否した場合、採用しないことも一般に問題は生じないと考えられます。また、健康診断の必要性がある場合、志望者の同意を得て健康診断を実施することも可能と考えます。

② 応募者に、同居の親族の健康状態等を問いあわせることも、転勤などが頻繁に考えられる場合には可能です。

採用内定の取り消しは自由にできます

採用内定者は①採用予定者(労働契約が成立していないもの)と②採用決定者(労働契約が成立したもの)に分かれます。単に採用予定であると告げられているに過ぎないものは①採用予定者です。入社誓約書や身元保証書を差し入れた場合などは②採用決定者となります。採用予定の取り消しについては、会社は入社を義務づけられず単に損害賠償責任を負うにとどまります。しかし②採用決定者となると、その取り消しは解雇に該当し、合理的な理由がなければ認められません。

試用期間中の従業員の本採用を拒否することは自由にできますか。

本採用拒否は、留保解約権の行使つまり雇い入れ後における解雇にあたります。その解雇が認められるには、企業者が、採用決定後における調査の結果により、または試用期間中の勤務状態等により、当初知ることができず、また知ることが期待できないような事実を知るに至った場合において、そのような事実に照らしその者を引き続き当該企業に雇用しておくことが客観的に相当ではないといえる必要があります。具体的には、勤務成績不良、業務不適格性、言動の不適格性、協調性のなさについては、試用期間中の者には厳しく判断されますが、当該企業がその者を適切に教育したのか否かも解雇の有効性に影響します。

労働契約締結の際,使用者が労働者に明示しなければならない労働条件にはどのようなものがありますか。

労基法第15条
明示すべき労働条件 書面交付による明示事項
労働契約の期間に関する事項
○期間を定めない場合もその旨
就業場所、従事すべき業務に関する事項
○雇入れの直後のものでよいが、その後の配転、出向等あればその旨明示してよい。
始業・就業の時刻、休憩時間、休日、休暇、労働者を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
○所定労働時間を超える労働・休日労働の有無を加える。
賃金(⑥の退職手当、⑦の賃金を除く)の決定、計算・支払方法、賃金の締切り・支払の時期、昇給に関する事項
○初任給の金額、諸手当金額の明示を含む。
退職・解雇(事由及び手続等)に関する事項
○雇用契約終了事由の全事項
退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払の方法、退職手当の支払の時期に関する事項
×
臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与・これらに準ずる賃金、最低賃金に関する事項
×
労働者に負担させるべき食費、作業用品、その他に関する事項
×
安全、衛生に関する事項
×
職業訓練に関する事項
×
災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
×
表彰、制裁に関する事項
×
休職に関する事項
×
有期雇用の場合の更新の有無、判断基準等の事項
×
労働・社会保険の適用に関する事項
×

○...法律上の書面交付明示に該当、×...書面開示に不該当

労働条件の明示をしさえすればよいのでしょうか。

労働条件を明示してもそれに労働者が応じたのか否かははっきりしません。また、使用者としては、労働者に守秘義務等を課したい場合もあります。従って、雇用契約を締結することが望ましいといえます。

期間の定めのある雇用契約について注意すべき点がありますか。

3年を超える雇用契約は、原則として禁止されています。また期間の定めのある雇用契約であっても、当事者間に当然更新を予定しているような契約の場合は、雇い止めが自由にできず、雇い止めに社会通念上相当な理由がなければ雇い止めは認められません。従って厳格な更新手続きが重要です。

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