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弁護士の法律相談を受けて暗くなる?
~相談者と弁護士の気持ちのずれ~

2017年11月15日

 自分の事務所で法律相談をしていると,弁護士会の法律相談を受けたら暗い気持ちになったという話をたまに聞くことがあります。その原因としては,弁護士が自分の結論を押しつけるというのが多いようです。私も弁護士会の法律相談を担当しているのですが,時間が限定され延長が許されない場合も多く,相談者のお話を十分にお聴きすることができない場合もございます。ただし,私は,そのような場合でも,自分の事務所で更にお話をお聴きしましょうとか,弁護士会で継続して相談をお受けになってはどうですかとアドバイスをするようにして,結論を押しつけにならないように努めています。
 そもそも人は自分の話をしっかり聴いてもらわないと,他人のアドバイスも耳に入らないものです。また,解決の方向性が自分でもわからず悩んだり,緊張してうまく話のできない相談者もいらっしゃいます。1時間ぐらい話をお聴きしていて帰り際にご相談者のご希望がわかったという場合もあります。また,人の気持ちというものは一定していないので,初回のご相談ではAという方向性を希望していたご相談者が2回目のご相談ではBという方向性を希望するということもよくあります。
 このようなことを弁護士が理解していないと,相談者の気持ちと弁護士の気持ちがずれて弁護士が自分の結論を押しつけてしまう場合が生じます。仮にこのようなことを理解していたとしても,自分と他人は,全く違う人生を歩んできたのですから,知らず知らずのうちに結論の押しつけになる場合も生じます。それを防ぐためには,相談者が自分に話しやすいような雰囲気を作ることがまず大事です。また,私の事務所では,ほぼ全事件を,私と若手弁護士の共同で担当するようにしており,私に言いづらいことでも若手弁護士に,若手弁護士に話しづらいことは私に話せるような仕組みを作っています。そして,相談者と自分の考えのずれが判明した場合は,すみやかにそのずれを埋めるように努力しています。