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文字が映像に化けるとき

2013年06月18日

 弁護士の重要な仕事にクライアントから事情を聞くことがあります。事情を聞いていると、有利な事情(相手方の不当性)ばかり出てくる場合があります。人は自己に不利な事情は話したがらないからです。この聞き取りだけで、事件を受任し戦い始めると戦略ミスを犯し大変なことになります。
 そこで、事情を聞く場合には、クライアントに不利な事情も話してもらう必要があります。しかし、不利な事情を話してもらっただけでは不十分なのです。不利な事情があれば、なぜその不利な事情が発生したのか、背景は何か、そのときのクライアントの気持ち・動機はどのようなものであったかなどを詳しく聞かなければなりません。そうすることで見えなかった有利な事実が見えてきます。
 次に自分の頭の中で積み重なった有利な事実が映画の映像(ストーリー)として見えてくればしめたものです。これを書面化して裁判所に出せば、裁判官も、私と同様に書面化された映像(ストーリー)を見ることになるのです。文字よりも映像の方が、インパクトがあります。
 「読み手が頭の中で映像化できるような文書を書く」ということを皆さんのビジネスでも参考にしてみてはいかがでしょうか。