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雰囲気にながされない
2013年08月26日
会議や打ち合わせをすると、なりゆきで十分な議論もなされないままものごとが決まっていきそうな場面に遭遇することがあります。
これがいわゆる場の雰囲気というものだと思います。雰囲気を形成する原因としては、感情論や精神論が前面に出てきてそれに水を差すような議論ができなくなる、メンバーの一部(現場)が先行して行動してしまい追認せざるを得ない状況になってくる、楽観論が出てくるとそれに期待を寄せそれ以上の議論ができにくくなる、メンバーの人間関係に配慮し意見を差し控えるなどが考えられます。
これらの原因が、いわばその場の同調圧力となってものごとが決まってしまうのです。雰囲気で結論を出すと、十分な検証がなされていないので失敗するリスクも高くなります。
このようなことは、最近始まったことではありません。太平洋戦争を開始する際、山本五十六が「やれといわれれば半年や一年は暴れてご覧にいれますが、2年、3年となっては確信が持てません」といっていたのに、「緒戦で勝って太平洋の資源をおさえればアメリカは戦意を喪失するだろうし、長期戦になっても負けるとは限らない」という楽観論に期待する雰囲気が強くなり真珠湾攻撃が決まっていったという説があります。もちろん太平洋戦争のような国家の大事を決める際にはさらに複雑な要因もからんでいたと思います。
では、日常の会議や打ち合わせにおいて雰囲気で結論を出さないためには、どうすればいいのでしょうか。私は、目的と手段を議論することだと思います。会議や打ち合わせで議論し目指す目的は何か、その目的は正しいのか、目的実現の可能性はどの程度あるのか、目的達成にふさわしい手段は何かなどです。皆さんも打ち合わせや会議の参考にしてみてください。