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KAIHOU
~KAI法律事務所 事務所報~ 第41号 2016年7月15日発行
【「ありがとう」を口に出す効果 】

2016年07月15日

 「ありがとう」の反対語は「当たり前」だと云われます。「ありがとう」は有り難し=滅多にないことに由来するからです。このことを知っているという方も多いのではないでしょうか。では「ありがとう」を常日頃から口に出して言っている方はどれぐらいいらっしゃるでしょうか。
 私は司法試験に合格後、7年ほど弁護士事務所に勤務しましたが、夜遅くまで、土日も仕事をしていました。本来働く対価として報酬をいただくので働くのが「当たり前」です。それでも一所懸命働いているところを認めてもらい、更に重要な案件を任されると益々働こうという気になりました。
 その後独立し事務員や弁護士を雇い始めると、もちろん働いてもらっていることに感謝はしているのですが、「ありがとう」とあまり口に出して言わなくなってきました。私は「ありがとう」と口に出して言わなくてもわかるのではないか、むしろ対価をもらう以上働いてもらうのが当たり前、仕事の質を向上させるために注意をするのが当たり前という気持ちが強くなっていたのかもしれません。
 あるとき、クライアントの社長が事務員とご相談にいらっしゃった際、事務員に対し「いろいろ資料を集めてもらってありがとう、大変だと思うがもう少し資料を集めてもらえるかな」とおっしゃっていました。これを聞いていて、とてもすがすがしい気持ちになりました。それ以来、意識して「ありがとう」と口に出して言うように心がけています。感謝の心は口に出すと相手のみならず周囲も気持ちよくなるからです。