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パワーハラスメントの防止対策義務

2022年03月07日

 2022年4月1日から、労働施策総合推進法による職場におけるパワーハラスメント防止対策義務が、中小企業にも適用されます。そこで、事業主が講ずべき措置を、改めて確認しましょう。

  1. パワーハラスメントの定義
    法令上パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます。)とは、次の①から③のすべてを満たすものと、定義されています。
    ①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるもの。
  2. 事業主が講ずべき措置
    事業主は、以下の措置を必ず講じなければなりません。
    中小企業に該当する企業では、これらの措置の準備が整っているのか、ご確認いただき、ご対応ください。
    (1) 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
    (2) 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
    (3) 職場におけるパワハラにかかる事後の迅速かつ適切な対応
    (4) そのほか併せて講ずべき措置
    (1) 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
    「事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発」として、具体的に事業主が行うべきことは次の2つです。
    ①職場におけるパワハラの内容、パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化して労働者に周知・啓発すること。
    ②行為者(パワハラを行った者)について、厳正に対処する旨の方針・対処内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発すること。
    (2) 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
    「相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備」として、具体的に事業主が行うべきことは次の2つです。
    相談窓口(担当者や連絡先)をあらかじめ定め、労働者に周知すること。
    ②相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること。
    (3) 職場におけるパワーハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応
    「職場におけるパワーハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応」として、具体的に事業主が行うべきことは次の4つです。
    事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
    ②パワハラの事実の確認ができた場合、速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと。
    ③パワハラの事実の確認ができた場合、行為者に対する措置を適正に行うこと。
    再発防止に向けた措置を講ずること。
    (4) そのほか併せて講ずべき措置
    「(1)から(3)までの措置と併せて行うべき措置」は次の2つです。
    ①相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること。
    相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。

     実際に、事業主が講じるべき措置を実施するにあたり、ご不明点等ございましたら、当事務所にご相談ください。