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急がば回れで正しい結論を

2015年04月20日

 仕事の上でも私生活の上でも、自分で結論を出さなければならないときがあります。結論を出す以上できれば正しい結論を出したいと皆思います。
 しかし、自分一人で考えていても、昨日と今日で結論が違うということを皆さんは経験したことはありませんか。また他の人の話を聞いているうちに別の結論に行き着いたという経験はありませんか。
 人間の能力には限界があるので、正しい結論を見つけようとするより、正しい結論を導くのにふさわしい過程は何かを考えた方が良い場合があります。
先ほどの、一晩考えてから再度結論を出したり、相談してから結論を出したり、他の人と議論してから結論を出すことは、正しい結論に近づくための手段になりうるのです。
 しかし、正しい結論に近づくにはそれだけで十分ではありません。たとえば、相談や議論を自分の当初の考えを確認するためだけにするならあまり意味がありません。まず相談や議論を経て情報収集後に自分で結論を出すということが大事です。そのために、①適切な相談相手や議論をする相手を選ぶ(場合によっては相手の役割を決める)、②自分のポジションを決める(自分がどこで関与するのか)ことが大事です。たとえば、裁判官が合議で結論を出す場合、まず経験の浅い裁判官から意見を言わせ、裁判長は最後に意見を言うそうです。先に、経験豊富な裁判長が先に意見を言うと若い裁判官がなかなか意見を言いづらいという配慮からだそうです。また、私の事務所でも、事件について複数の弁護士で議論し結論を出します。その際、若い弁護士には疑問点や反対論を出すように促していますし、出なければ私が出すようにしています。疑問点や反対論をつぶしていくことで正しい結論に近づくと考えられるからです。
 正しい結論をいきなり求めるより、正しい結論に近づく過程を探求した方が結果的には正しい結論に近づきやすくなるのではないでしょうか。まさに急がば回れです。