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月60時間超の時間外割増賃金

2022年07月06日

<月60時間超の時間外割増賃金>
 2010(平成22)年4月1日施行の改正労働基準法により、大企業では、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の割増率が25%から50%に引き上げられています。
 中小企業に対しては、労働基準法附則第138条により、当分の間割増率の引き上げの適用が猶予されていました。
 しかし、この猶予措置が2023年3月31日で終了となることが決まり、2023年4月1日以降は、中小企業でも月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の割増率が25%から50%に引き上げられます。
 したがって、中小企業では、2023年4月1日までに、給与計算のフォーマットの見直しや、就業規則の規定の修正などの対応を検討することが求められます。
 なお、月45時間を超える時間外労働を労働者に命じるためには、通常の時間外労働・休日労働に関する協定(いわゆる36(サブロク)協定)ではなく、特別条項付きの36協定を過半数組合又は過半数代表者と締結し、労働基準監督署に届出する必要があるので、ご注意ください。

<男女間の賃金差開示>
 厚生労働省は、2022年6月24日、労働政策審議会雇用環境・均等分科会を開催し、従業員300人超の企業に対し男女間の賃金差の開示を義務付ける女性活躍推進法省令改正案を提示しました。
 この改正は、2022年1月24日の衆議院予算委員会で、岸田総理大臣が「男女間賃金格差そのものの開示を充実する制度の見直しについて、具体的に検討し、速やかに着手してまいりたい。」と発言したことを受けてのものです。

  1. 企業規模による改正の影響

    fig01

     ※横スライド表示出来ます。
     上場・非上場は問われませんので、常用労働者数が301人以上の企業では、情報開示に向けた準備が必要となります。
      また、常用労働者数が300人以下の企業は、「男女の賃金の差異」について開示義務はないものの、国は積極的な公表を促すということです。
  2. 開示すべき情報
     男女の賃金の差異として開示すべき情報は、男女間の賃金格差の絶対額ではなく、男性の賃金に対する女性の賃金の割合が予定されています。割合は小数点第2位を四捨五入して、小数点第1位までを表示するとしています。
     また、開示の区分は、全労働者・正規雇用労働者・非正規雇用労働者という3つの区分の情報が必須となる予定です。
     なお、正規雇用労働者及び非正規雇用労働者の定義は、次の通りになる予定です。
    ①正規雇用労働者
     直接雇用し、期間の定めがないフルタイム労働者をいう。短時間正社員を含む。
    ②非正規雇用労働者
     パート・有期雇用労働法第2条の短時間労働者と有期雇用労働者をいう。派遣労働者は除く。
  3. 施行時期等
     今回改正される省令は、2022年7月施行予定です。
     女性活躍推進法に基づく情報開示は、おおむね1年に1回以上行うことが求められています。しかし、「男女の賃金の差異」に関する初回の開示については、改正省令の施行後初めて訪れる当該企業の事業年度の終了時から、おおむね3か月以内に公表することが求められます。